話題の”甘いクラフトビール”『MellMello〈メルメロ〉』の制作秘話

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2021年8月、CBLことCraftbeer-Loversの創業者でもある松尾亮氏がフルーツビールをリリースすることとなりました!その名前は、

『MellMello(メルメロ)』

桃味のピンクと梨味のグリーンは、どちらも発売前のモニター調査でビール好きだけでなくビールの苦味がニガテな層からも「飲みやすい」と評価された今注目のビールです。

何故苦味の強いIPAが流行している中、その逆をいく甘いビールを造ったのでしょうか。オーナーの松尾氏に話を伺いましょう。

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オーナーの松尾氏

MellMello オーナー:松尾 亮

年間250種類のクラフトビールを飲むビアギーク。
Webマーケティング会社に勤めつつ、2021年1月、クラフトビール情報メディア”Craftbeer-Lovers”を創業。
2021年8月、オリジナルビールブランド”MellMello(メルメロ)”を立ち上げる。
好きなビアスタイルはIPA、ヴァイツェン、フルーツビール。

恋人の「意外な反応」がメルメロ立ち上げのきっかけ

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MellMello 商品画像

遠藤(編集者):まず、メルメロを立ち上げたきっかけを教えてください。

松尾(「メルメロ」オーナー):はい。根底は私が「クラフトビール大好き」というところがありつつ、大きなきっかけとなったのは当時交際していた彼女の言葉でした。
彼女はビールの苦味がニガテで、ビール嫌いでした。私の飲んでいるレアもののIPAを一口飲んでも「にがっ、まず」と顔をしかめていました(苦笑)

そんな中、ある日私が『これなら飲めるかも』と思い、苦味の少ないフルーツビールを一口あげたのですが、その時の反応が「え、うま!なにこれ!」とグビグビ飲み進めたんですよね。

遠藤:それは凄いですね!彼女さんとビールの美味しさを分かち合えた瞬間ですね。

松尾:はい、その光景が衝撃というか、感動というか、びっくりしちゃいまして。私もテンションが上がってしまったことを覚えています。

クラフトビール好きとしては、その美味さを誰かと話したり、分かち合えることはとても嬉しいことです。それ以来私は冷蔵庫に「彼女と飲める用ビール」もストックするようになりました。

そんなことをしていく中で、「世の中には彼女のように、“苦味を抑えたビールなら美味しく飲める”という人も居るのではないか」と考え始めたのが、メルメロ立ち上げのきっかけです。

元々オリジナルのブランド作りに憧れていたこともあり、ぼんやりと自分のビールブランドを造りたいと思ってましたが、この体験によってバシッと方向性が定まりました。

遠藤:メルメロの「大切な人と飲むビール」というコンセプトは、その体験からきているのでしょうか?

松尾:そうです!あの時の喜びや嬉しさ、会話の楽しさだったりを沢山の方に提供したいと考えております。

メルメロのこだわりポイントは「鼻と舌」で楽しむコト

遠藤:そこから実際に作るにあたって、こだわったコトはありますか?

松尾:こだわったのはやはり味ですね。ビールが苦手な方でも飲みやすいように、3つのポイントを重視しました。

一つ目が”苦味が少ないこと”です。ビアスタイルは原体験からもフルーツを使ったエールビールにしたいと考えていました。

友人やSNS経由で100人にビールに関するアンケートを取ったところ、フルーツの中でも桃と梨のビールが特に人気だとわかりました。私としても両方大好きなフルーツだったので、迷わずこの2つを使ったフルーツビールを造ろうと決めました。

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モリタファーム様の桃

早速山梨の桃農家さま、千葉の梨農家さまに連絡し、フルーツの提供を依頼しました。その中で、「廃棄品/訳あり品の有効活用」という点に共感してくださった、山梨県のモリタファームさま、千葉県の橋本梨園さまが協力してくれることになりました。

老舗農園の良質なフルーツを使えることによって、メルメロは理想の形に近付けました。

遠藤:良質な原料を使えるというのはとても嬉しいですね。

松尾:そうですね。ただ、だからといってフルーツを前面に出しすぎることによって、甘くしすぎてジュースのようにはしたくはありませんでした。やはりビールとしての美味しさも大切にしないといけません。

なのでその点はブルワーさんと何度も打ち合わせて、甘さのバランスを調整しました。その結果、苦すぎず甘すぎない、絶妙なバランスに仕上がったと思います。

遠藤:なるほど。2つ目のポイントは何でしょうか。

松尾:”香りがフルーティなこと”です。いくら甘さが絶妙でも、ビールっぽい香りが強かったら、口に運ぶ前にいつもの苦いイメージを与えてしまいかねません。

なので、フルーツの香りが前面に出るようにしました。「フルーツがほのかに香る」というより「しっかり香る」レベルにしています。

きっとグラスに注いだ瞬間から感じて頂けると思います。泡少なめでグラスに注いでもらえると、香りがしっかり感じられるはずです。

遠藤:確かに味よりも先に香りが美味しさの印象を決めますよね。

松尾:そうです。メルメロは従来の“喉で楽しむ”ビールではなく、“鼻と舌で楽しむ”ビールになったと思います。

遠藤:舌でしっかり味わって飲むビール、新しいですね!三つ目のポイントは何ですか?

松尾:三つ目のポイントとしては、“アルコール度数が低いコト”です。これも先述のアンケートでわかったことなのですが、多くの方が低アルコール度数のビール(お酒)に魅力を感じていました。

ほろ酔いを楽しめるくらいがちょうど良いと思う方が多いようです。とりわけ3%台が最も“理想のアルコール度数”として票数が多かったので、メルメロも3.5%に設計しております。

これら3つのポイントを軸にして、ブルワーと連携し、理想の形で実現出来ました。実際モニターさんに飲んで頂いたところ、普段はビール苦手という方から「おいしい!これなら飲める」というコメントも複数頂きました。

ビアギークの方からも「美味い」とお墨付きをいただき、苦労して良かったなぁと感じました。

コンセプトを大切にしたデザイン

遠藤:味以外で特徴的な点でいうと、メルメロは面白いデザインですよね。何故このデザインになったのでしょうか?

松尾:デザインはかなり紆余曲折がありました。メルメロを通じて最も提供したいことは「大切な人との楽しい時間」です。だからコンセプトが「大切な人と飲む」なのですが、それをラベルで表現するのが難しくて……。

メンバーでもあるデザイナーと何度も議論し、作っては壊しを繰り返していました。

そんな中あるご縁で世界的なデザイナーさんとお話する機会がありまして、そこで的確なアドバイスやアイデアを頂き、今の形が出来上がりました。気を付けたことは、どこまでいっても”コンセプトを表現できているかどうか”、という点です。

メインビジュアルには糸電話を描いてます。若い方はもう糸電話を知らない人もいるかもしれませんが、「二人一緒だから成立するコト」の象徴として描きました。

また、ラベルの端には「はんぶんこ」する為の目盛りを記載しています。この目盛りを見ながら、恋人や友人と分け合って貰えれば楽しいと思います。

遠藤:桃と梨のラベルを並べると、ハートマークが出現しますね。可愛いらしいです。

松尾:そうです。この“2つで1つ”になる仕掛けも気に入っております。

遠藤:インスタにあげたくなるデザインですね!

味も販売チャンネルも増やしたい!

遠藤:メルメロの今後の展望をお聞かせください

松尾:桃と梨に関しては、飲んでくださった方の声を反映しつつブラッシュアップしていきます。また、他のフルーツを使ったビールを造っていきたいと思っています。例えば、みかんとかレモンとかパイナップルとか。

そうして一人でも多くの方が「あれ、ビールって美味いじゃん!」ってなると嬉しいですね。「クラフトビールにハマったきっかけはメルメロです」なんて人が現れたらホント最高です!

遠藤:それは素敵ですね!ちなみに、今購入できるのはネット購入だけですか?

松尾:今はECサイトと一部の飲食店のみの提供になりますが、ゆくゆくは小売店での展開も考えています。

遠藤:なるほど、メルメロがたくさんの人に広がっていくのが楽しみですね。インタビューは以上となります。ありがとうございました!

松尾:ありがとうございました。

編集後記

ガツンとした苦味がする今流行りのIPAとは逆をいくコンセプトや味は、奇をてらったマーケテイング戦略ではなく、松尾氏の実体験からきているようです。

メルメロは松尾氏が言っていたように、甘みがありつつもビールの旨味もしっかりあり、”今までありそうでなかったビール”だと感じます。

今後「メルメロ」というブランドが多くの人にどのように楽しまれていくのか、展望がとても楽しみです!

  • 通販サイト:https://mellmello.stores.jp/