こんにちは!
CraftBeer-Lovers編集部です。
「クラフトビールってお洒落で美味しいイメージだけど、普通のビールとどこが違うの?」
あなたはこんな風に思ったことはありませんか?
じつは、日本ではクラフトビールがどういうものか、明確になっていません。
そこでこの記事では、
- 海外のクラフトビール定義
- クラフトビールの歴史
といったところから、クラフトビールがどういうものかを紐解いていきます!
ということで、生産者さんのこだわりが光るクラフトビールについて理解を深めて、クラフトビール好きの第一歩を踏み出しましょう!
海外のクラフトビールの定義

日本ではまだ定義が明確になっていないクラフトビールですが、海外ではどのように定義されているのでしょうか?
アメリカのブルワーズ・アソシエーションでは、クラフトビールを次のように決めています。
- 小規模であること
- 独立していること
- TTP(アルコール・タバコ税貿易局)からの認可を得て生産していること
参照: ブルワーズ・アソシエーション: Craft Brewer Definition
それぞれの意味について深堀りしてみましょう。
定義① 小規模であること
最初にあげられる定義は、小規模であることです。
小規模というのは、造る量についてです。
目安として、生産量が年間600万バレル(約70万キロリットル)以下であることとされています。
これは、言い換えれば「ひとつひとつ丁寧に造っていること」ということです。
「Craft(クラフト)」という単語の意味は、日本語で「手工業、工芸、手芸または手先の技術が必要な職業のこと」を言います。
言葉の意味を踏まえると、大量生産は「Craft」ではないというのも理解できますね!
定義② 独立していること
独立しているというのは、クラフトビールメーカー以外のアルコール業界の事業者が造っていないということです。
クラフトビールをアルコール事業の一環としてではなく、「こだわり抜くもの」として造ってこそのクラフトビールという事なのでしょう。
少し厳しいような気もしますが…、「Craft」の意味を考えたら納得できるのではないでしょうか?
定義③ TTPからの認可を得て生産していること
最後にTTP(アメリカのアルコール・タバコ税貿易局)からの認可を得て生産していることです。
当然なことにも思えますが、きちんとした手続きでしっかり作られてこそのクラフトビールですよね!
日本で同じ定義にできないワケ
以上の3点が、アメリカでのクラフトビールの条件です。
ブルワーズ・アソシエーションでは、定義以外にも「麦芽大麦などの伝統的な食材を基本として造られていること」などの特徴も挙げられています。
ではなぜ、日本で同じ定義ができないのでしょうか?
それは日本とアメリカでは前提条件が違うからです。
たとえば、日本では1994年まで、ビールは最低でも年間2000キロリットル造らなければならないという法律があったので、小規模に造ることができませんでした。
お酒に関するルールは国ごとに大きく違うので、海外と同じようにはいきません。
そのため、日本のクラフトビールの定義を決める必要はあるのですが、まだ明確なものはありません。製造者や飲む人がそれぞれ決めているのが現状です。
ですので、定義が曖昧なままとなっています。
ちなみにCraftBeer-Loversでは「ひとつひとつこだわって造られたビール」という風に解釈しています。
日本のクラフトビールの歴史
日本のクラフトビールについては、その歴史を知ることでよく理解することができます。
- 1994年:日本のクラフトビールの幕開け
1994年に日本法律が変わり、ビールの小規模製造がOKになる。
これにより地ビールが誕生する。 - 1998年:ブームのピークと衰退
全国的に地ビール製造が広まったが、値段に対して残念な味のものも多かったことから衰退していく。ここからしばらくの間はクラフトビール氷河期となる。 - 2010年前後:「クラフトビール」という名前が広まり再ブームへ
かつての「地ビールはまずい」というネガティブな印象を払拭するため、地ビールから「クラフトビール」と名前が変わり、再ブームが到来。 - 2011年:クラフトビールが世間に広く認知されはじめる
クラフトビールが飲めるレストラン「クラフトビールマーケット」がオープンし、雑誌にも特集され「クラフトビール」としての名前が世間に広く知られるようになる。 - 2014:クラフトビール界のリーダー、ヤッホーブルーイングがキリンビールと資本提携
クラフトビール界の最大手であるヤッホーブルーイングがキリンビールと資本提携したことで、クラフトビールの市場が大きくなる。 - 2017年:新興ブルワリーの急増
2017年頃からクラフトビールの製造所、製造会社が急増する。
ここから現在に至るまでクラフトビール市場は成長中。
要約すると、日本でのクラフトビールの歴史は
- お酒の法律が変わったことで始まり
- 地ビールが広まったが質が悪く衰退していき
- クラフトビールに名前が変わる&味にもこだわるようになり
- 現在クラフトビール市場は成長中で、人気を集めている
というのが日本のクラフトビールの歴史です。
実は地ビールとの明確な違いが無いという点は驚きですよね!
「地ビールとクラフトビールの違いって何?」なんて言うお友達がいたら、ぜひ語ってあげてくださいね!
まずはコレ!筆者おすすめのビアスタイル8選

知識としてクラフトビールを知るのも大切ですが、やっぱりクラフトビールを本当に理解するのに大切なのは、実際に飲んで知っていくことでしょう!
ということで、私がおすすめする、クラフトビール初心者さんに飲んでいただきたい、人気の高いビアスタイルを紹介します!
ちなみにビアスタイルとはビールの種類のこと。
ビアスタイルは100種類以上に分類されているので、自分に合ったビアスタイルを探すのがクラフトビールの醍醐味です!
①ペールエール(Pale Ale)

ペールエールはイギリス発祥のスタイルです。
ペールとは「淡い」という意味。
当時は黒ビールなど色の濃いビールが主流であったため、黄金色を持つそのビールはペールエールと名付けられました。
芳醇な香りが特徴で、クラフトビールらしさを感じやすいスタイルと言えるでしょう。
②IPA(India Pale Ale)

IPAはペールエールの一種で、読み方はそのまま「アイ・ピー・エー」です。
「India Pale Ale」の頭文字を取ったもので、ペールエールの中でも最も知名度のあるスタイルです。
むしろペールエールというより、IPAと言われた方がピンとくる方も多いのではないでしょうか?
IPAは麦汁の濃度が高く、ホップをたくさん使用したペールエールです。
その特徴はがつんと来る強い苦味と芳醇な香り!
強い飲みごたえもありますし、すごく人気のあるスタイルなので、まず知っておきたい種類の一つです。
③ヴァイツェン (Weizen)

ヴァイツェンは音の響きからも分かりますが、ビールの本場ドイツのビアスタイルです。
「Weizen」は小麦という意味ですが、ヴァイス「白」とも呼ばれている、白ビールの一種です。
ヴァイツェンの特徴はフルーティーな香りと、苦味のない柔らかな味わい。
とても飲みやすく、クラフトビールデビューにぴったりなビールです。
④ベルジャンホワイト (Belgian White)

「水曜日のネコ」などでも知られるベルジャンホワイトも、白ビールの一種です。
ベルギーの伝統的なビールで、ハーブやオレンジピールなどを使っており飲みやすさはダントツ!
女性人気も高く、イタリアンなどに合わせてオシャレに飲むこともできるビールです。
⑤スタウト (Stout)

スタウトはイギリス発祥の黒ビール。
スーパーなどに売っている「ギネス」という黒ビールは、スタウトの一種です。
「stout」という単語は、「じょうぶ、強い、どっしりとした」などの意味を持っています。
アルコール度数が高く非常に強いコクを持っているので、まさに「スタウト」という感じですよね!
⑥ポーター (Porter)

ポーターは黒ビールの一種で、珈琲のような色のビールです。
スタウト同様、発祥はイギリス。
まろやかな味わいで甘みも感じられ、黒ビールの中でも一番飲みやすいスタイルだと言えます!
「黒ビール苦手だけどポーターは好き!」なんて方もいるくらいです。
⑦セゾン (Saison)

セゾンはベルギーで昔から親しまれているビールです。
元々は農家さんが夏場に喉を潤すために飲まれていたビールです。
当時は綺麗な水が手軽に飲めかったため、その代わりにアルコール度数の低いビールが作られていたそう。
ホップの苦味に加えシトラスを思わせる酸味やスパイスの味わいがあったりと、個性豊かなビールです。
⑧ピルスナー (Pilsner)

ピルスナーはチェコ発祥のビールです。
とある日本の大手ビールメーカーはピルスナーをお手本にしていただけあり、日本人には親しみのある味わいです。
私たち日本人からしたら、「ザ・ビール」とも言えるスタイルです。
まとめ
ここに書いてあることを既に知っていたら、あなたは十分「クラフトビール好き」かもしれませんね!
クラフトビールはこだわりを持って作られた、個性豊かなビールです。
たとえ同じスタイルでも、それぞれが個性を持っていて奥が深い世界です。
年々クラフトビール市場は大きくなっていますし、ワインと同じように「ビアソムリエ」という専門家もいます!(参照: JBS ジャパンビアソムリエ協会)
ぜひあなたもクラフトビールを楽しんでください!
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