「クラフトビールを試してみたいけれど、どんなビールがあるのか、どんなビールが自分にあうのか分からない」なんて方も少なくないはず。
せっかくクラフトビールを飲むなら自分に合ったビールを飲みたいものです。
そこで本記事では、クラフトビールをもっと美味しく飲むためにクラフトビールの選び方をご紹介します。
クラフトビール初心者の方も、この記事を読み終わるころには自分に合ったクラフトビールがどれかしっかり分かるようになりますよ。
ぜひ参考にしてくださいね。
クラフトビールとは
クラフトビールの「クラフト(craft)」とは、日本語で「職人技」や「技術」という意味。
つまり、クラフトビールは大規模な工場で生産されているビールとは異なり、小規模な事業者による少量生産のビールのことです。
アメリカではクラフトビールの定義が①小規模であること②独立していること③伝統的な原料や製法で造っていることとされています。
ただ、現在では大手酒造メーカーでもクラフトビールを売り出しているので、日本のクラフトビールはアメリカの定義に当てはまっていないものも多くあります。
日本ではまだ「クラフトビールとは何か」ははっきりしていません。
CraftBeer-Loversでは、「こだわりを持って作られたビール」として、クラフトビールを紹介していきます。
クラフトビール、どうやって選ぶ?
ここで本題です。自分にぴったりのクラフトビールをどう選ぶかを解説していきます。
主な選び方は以下の二つ。
- スタイル
- ラガーかエールか
それぞれについて詳しく説明するので、ぜひ参考にしてくださいね!
1. スタイル
まずは、ビールの種類のことを表す「スタイル」で選ぶ方法から。
ビールは原料や醸造方法を組み合わせることで、色んな味わいが出来上がります。種類をすべて合わせるとなんと100以上にもなるんだとか!本記事ではそのなかでも特に有名でオススメなスタイルをご紹介していきます。
ご紹介するスタイルは以下の通り。
- ピルスナー
- ペールエール
- ヴァイツェン
- フルーツビール
- IPA
- スタウト
- ベルジャンホワイト
- ポーター
名前を聞いたことがある…という段階の人でも大丈夫。一緒に勉強していきましょうね。
ピルスナー
ピルスナーは別名ボヘミアン・ピルスナー、ジャーマン・ピルスナーとも呼ばれるチェコ出身のビアスタイルかつ日本人にお馴染みのビアスタイルの1つです。また、最近では日本だけでなく世界でも広く普及しています。
有名なビールである「アサヒ スーパードライ」「サッポロ 黒ラベル」「キリン 一番搾り」などもピルスナーです。
透き通った黄金色をしており、ホップ感のある爽快な香りがするのが特徴。白く豊かな泡とすっきりとしたのどごしもたまりません。ビールの王道を知りたい方におすすめです。
そんなピルスナーのおすすめクラフトビールは、コエドビールの瑠璃(ruri)
モンドセレクションの金賞を受賞しており、美味しさは万人受けするほど。軽やかな口当たりながらも深みある味わい・そして香味と苦みのバランスをとったビールです。
せっかくだから王道のピルスナーを飲みたいけど、あまり皆が知らないような銘柄がいいと思っている方におすすめです。
ペールエール
ペールエールはイギリス発祥のビアスタイルです。ペールは「薄い」という意味からきていますが、実際は薄い色だけでなく濃い色もペールエールと呼ばれていたりします。
苦みが強く、すっきりとしたドライな味わいが特徴で、香りはリンゴや柑橘類などフルーティーなものが多いです。普通のビールと違うビールを飲んでみたいという方は、まずペールエールから試すのがおすすめ。
飲む際はあまり冷やしすぎず、香りを残しながら少しずつ飲むと魅力が存分に発揮されますよ。自分をリセットしたいとき・時間がすぎていくのを楽しみたいときのおともにすると幸せな時間を過ごせるでしょう。
そんなペールエールのおすすめクラフトビールは、箕面ビールのペールエールです。
箕面ビールのペールエールは、柑橘系のアロマが爽やかなアメリカンスタイルのペールエールです。シーンを選ばずどんなときにも一緒に飲める後味のキレの良さが特徴で、少しずつ飲むたびに気持ちの良い後味を感じられるでしょう。
ヴァイツェン
ドイツ語で「小麦」を意味するクラフト白ビールがヴァイツェンです。原料の50%以上が小麦麦芽を占めているため、香りや味わいの中に小麦を感じられます。
ホップの風味や苦みは少なめなので、ビールが普段苦手な方でも美味しくするすると飲めるでしょう。また、泡立ちや粟餅がいいのも特徴です。
香りは酵母由来のバナナやクローブを感じられることが多いです。暑い日に一気にビールをのみたいときにもおすすめです。
そんなヴァイツェンのおすすめクラフトビールは、銀河高原ビールの「小麦のビール」です。
このビールは、小麦麦芽を多く使用し、最終工程であえて濾過をしていません。そのため麦芽と酵母が織りなすコクや甘み、複雑な香りを自然のまま感じることができます。
バナナのようなフルーティーな香りがあるので、疲れたときに飲むご褒美としてぴったりです。
フルーツビール
フルーツビールとは、ビールに天然果汁やフルーツ香料を入れて作られるビールです。代表的なのはベルギー産ですが、日本でもたくさんの銘柄が売り出しています。
使われているフルーツはピーチやベリー、ぶどうや柑橘系など様々なものがありますが、どれもフルーツの甘みによって苦みが抑えられているので、ビールの苦みがあまり得意でないという方にぴったり!女性の方や普段ビールを飲まない方にこそ飲んでほしい種類のビールです。
そんなフルーツビールでおすすめしたいのが、小西酒造のリーフマンス
チェリーをベースに5種類のベリーをブレンドして作られたフルーツビールです。ベリーの爽やかな酸味が感じられるので、ジュース感覚でビールを楽しみたい方にとてもおすすめ。アルコール度数も低いため、強いお酒が苦手な方もカクテルのような感覚で楽しめますよ。
IPA
IPAは「インディア・ペール・エール」の略。昔、イギリスからインドへ輸送する際にビールが傷まないよう、防腐効果の高いホップを大量に入れて作られたことができたきっかけとなっています。
ホップの量が多いため、フルーティーなアロマと苦みが強いことが特徴です。また、醸造所によってホップの香りやフレーバー、アルコール度数が異なるので個性がとても強いビールとも言えます。
クラフトビールに慣れてきた方や、苦くてドライなビールが好きだという方は試してみるとよいでしょう。
IPAでおすすめしたいクラフトビールは、ヤッホーブルーイングのインドの青鬼
コンビニでも買え、IPAのなかではかなり有名なクラフトビールです。口にすると大量のホップが生み出す衝撃の苦みと深いコク、そして華やかな香りがあなたを虜にしてくれます。
透明なグラスに注ぎ、すこしぬるめな温度にして飲むのが公式のおすすめ。色と香りを楽しみながら味わうとよいでしょう。公式のグラスもカワイイのでおすすめです!
スタウト
スタウトは、アイルランド発祥の黒ビールです。もともとはロンドンで流行していたビアスタイルがアイルランドに伝わったことが起源なんだとか。
大麦をローストして作られているため、苦みがとてもシャープです。酸味もあり、コーヒーのような味わいが楽しめます。
なお、日本におけるスタウトとは「濃い色の麦芽を原料に用い、色が濃く、香味の特に強いビール」と国税庁によって定義されています。
そんなスタウトでおすすめしたいクラフトビールは、サンクトガーレンのスイートバニラスタウトです。
濃厚な苦さの黒ビールに加え、マダガスカル産のバニラビーンズが甘く優しい香りを演出しました。デザート感覚で楽しめることが特徴なので、黒ビールに挑戦してみたいと思っている方におすすめ。バニラアイスにかけて大人なデザートにするのもとても向いています。
ベルジャンホワイト
ベルジャンホワイトとは、ベルギー発祥のビールです。実は一度消滅していたのですが、1965年に復活し、今では日本やアメリカなど色々な国で楽しまれるようになりました。
麦芽化していない小麦を使っていることと、副原料としてオレンジピール・コリアンダーを使っていることが特徴。
そのため柑橘系やスパイスの香りが豊かでビールが苦手な方でも美味しく飲めること間違いなしです!サラダや白身魚など、薄味の料理と一緒に飲むのがおすすめ。
そんなベルジャンホワイトのなかでおすすめしたいクラフトビールは、ブルームーンです。
ブルームーンはクラフトビールを扱っているお店の多くで見かけるぐらいの定番。
潰したオレンジピールとコリアンダーがたっぷり入っていて、トロピカルな香りが楽しめます。軽やかで透明感のある味わいのため、ビール初心者や女性の方でも違和感なく飲めるでしょう。
あんまり苦みが強くないビールが飲みたいという方にはとてもおすすめできます!
ポーター
ポーターはスタウトと同じく黒ビールの一種で、18世紀前半のイギリス発祥です。正確には味や色合いに応じて「ブラウン・ポーター」と「ロブスト・ポーター」の2種類に分けられます。
スタウトとの違いは苦みがあまり強くないこと、コクが強く感じられることですね。そのため見た目よりも飲みやすいという方が多く、黒ビールの中でも特に人気が高いと言われています。
適温は少しぬるめの11度~15度くらいで、コクを楽しみながら飲むのがおすすめ。
そんなポーターのおすすめ銘柄は、ベアードビールの黒船ポーターです。
コクがあるにもかかわらず、とてもスムーズな飲み口なため黒ビール初心者の方でも飲みやすいでしょう。時間をかけてゆっくりと味わうと奥深さが分かるのでおすすめです。また、ビターチョコレートやコーヒーのような苦みがあるため好きな方にはたまらないかも。
2. ラガーかエールか
続いて、ビールの発酵方法であるビアスタイルについてお伝えします。
ビアスタイルは主にラガーとエールの2種類に分けられます。
それぞれの違いを解説しますので、一緒に見ていきましょう!
ラガー
ラガーは10度前後の低温で、比較的長時間かけて発酵されるビアスタイルです。別名下面発酵とも言われ、19世紀以降に主流になった比較的新しい発酵方法になっています。すっきりとした苦みが特徴的です。
ラガーに分類されるのはピルスナーや黒ビールのシュバルツなど。あまり種類は多くない印象です。
エール
エールは15度~25度の高音で、比較的短い時間で発酵されるビアスタイルです。別名はラガーの逆で上面発酵と言われ、古代から伝わる伝統的な発酵法ですね。濃厚な味わいがエールの特徴となっています。
そんなエールに分類されるのはペールエールやIPA,ヴァイツェンにホワイトエールなど様々。ラガーよりも種類が多くあります。
どのクラフトビールが良いか分からないときは?
ここまででクラフトビールの種類とおすすめ銘柄をご紹介してきました。
しかし、クラフトビールの種類がありすぎてなにがいいのか全然わからない!という方もなかには間違いなくいらっしゃると思います。
そんな方のために、クラフトビール初心者の方にぜひ飲んでほしいおすすめクラフトビールをご紹介します!
どちらもコンビニやスーパーで買えるので、探してみてくださいね!
おすすめクラフトビール①水曜日のネコ
まずは、クラフトビールのおすすめリストに必ずと言っていいほど掲載されている、ヤッホーブルーイングの「水曜日のネコ」をご紹介します。

ビールの種類はベルジャン・ホワイトエールという、別名白ビールと呼ばれるタイプです。
ホップの苦みが弱く、フルーティーな味わいが特徴です。そのためビール完全初心者の方でも飲みやすいこと間違いなし!
すいすいと飲める女子向けビールの代名詞とも言えるビールです。
おすすめクラフトビール②よなよなエール
続いてはこちらも有名なクラフトビールである「よなよなエール」をご紹介します。

ビールの種類はアメリカンペールエールで、クラフトビールの王道とも呼ばれるタイプです。素材本来の甘みと苦みのバランスがちょうどよく、くせのない味わいに仕上がっています。
また、グレープフルーツやレモンのような香りがフレッシュさを引き立ててくれる、1杯でたくさん楽しめるビールでもあります!
まとめ
本記事では、クラフトビールをこれから楽しみたいという方に向けておすすめのクラフトビールの選び方をご紹介しました。
クラフトビールは色んな種類を知れば知るほど好きになっていくこと間違いなしです。
ぜひご紹介したビールをお試しして、クラフトビールを楽しんでいきましょうね!